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パブリック・イノベーションコース
「パブリックイノベーション」コース
PIコース6月第2週レポート
AIは答えをくれる先生じゃない
自分の志を深める相棒かもしれない
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こんにちは。
ファシリテーターのアラキングです。
6月第2週目のPIコースでは、
前半に「生命とは何か?」という大きなテーマを扱い、
後半には、PIコース用に準備しているAIを、
キッズたちが実際に使ってみる時間をとりました。
今回のキーワードは、
「生命と命(いのち)」
「問い」
「AIとの付き合い方」
です。
AIを使う、と聞くと、
「答えを教えてもらうもの」
「便利に正解を出してくれるもの」
と思ってしまいがちです。
でも、PIコースで大切にしたいAIの使い方は、少し違います。
AIに考えてもらうのではなく、
AIと一緒に考えながら、
最後は自分で選び、自分で動いていく。
そんな使い方に、キッズたちが少しずつ出会っていく時間になりました。
まず前半は、「生命とは何か?」という動画を見ながら、
みんなで「生命」について考えました。
動画を見る前に、山さんからキッズたちへ、
こんな声かけがありました。
ただ動画を見るだけではなく、
「これは自分の発表に使えそうだな」
「この言葉は気になるな」
「こんなふうに感じたな」
と思ったことを、ノートにメモしておくといい。
ミラコラEXPOの原稿を書くときにも、
こうした小さな気づきやフレーズが、自分の言葉として生きてくるかもしれない。
そんな話を受けて、キッズたちは動画を見始めました。
この動画を見たのは、単に理科の知識を学ぶためではありません。
これからAIという新しい相棒を使って、
自分の志やプロジェクトを深めていくからこそ、
まずは「生命とは何か」「命(いのち)を大切にするとはどういうことか」という根っこの問いに触れておきたかったのです。
金魚は生命。
人形は非生命。
では、金魚の材料になっているタンパク質は生命なのか。
非生命のものが集まると、なぜ生命になるのか。
動画の中では、DNAや人工生命の研究を通して、
生命の定義として、
- 膜をつくること
- 自己複製すること
- 代謝すること
という3つの要素が紹介されました。
科学の話でありながら、どこか自分たちの存在そのものに迫ってくるような、深いテーマでした。

この話を受けて、山さんがとても面白い受け取り直しをしてくれました。
「膜をつくる」というのは、人間に置き換えると、
「自分とはこういうものだ」と、自分を確立していくこと。
「自己複製する」というのは、
自分が学んだことを、誰かに伝えていくこと。
「代謝する」というのは、
自分の中から「よし、やるぞ」というエネルギーを生み出していくこと。
生命の定義を、ただ理科の知識として学ぶのではなく、
「自分はどう生きるのか」
「自分の志をどう育てるのか」
という話につながっていくところが、PIコースらしい時間でした。
さらに山さんは、こんな問いも投げかけてくれました。
生命と、命(いのち)は同じなのだろうか。
コップには、生物としての「生命」はないかもしれない。
でも、そこに込められた思いや、誰かに大切に使われてきた時間まで含めて考えると、そこには命(いのち)があるのではないか。
科学的に定義される「生命」と、
私たち日本人が昔から大切にしてきた、ものにも宿るような命(いのち)の感覚。
その違いを行き来しながら、
「生きているとは何か」
「大切にするとはどういうことか」
を考える時間にもなりました。
この問いに、キッズたちもそれぞれ反応していました。
さくちゃんは、隕石の中にもRNAが見つかっているという話から、
「もしかしたら宇宙にも生命がいるのでは」
「地球以外の生命と地球人が交流する未来もあるのでは」
と、想像を広げていました。
ももちゃんは、人間のDNAがたくさんあることに対して、
「すごい」
そして、
「めんどくさい」
と表現してくれました。
すると山さんが、
「めんどくさいから、ももちゃんがいる」
「めんどくさい。でも、だから素敵なんだと思う」
と受け止めてくれました。
一見すると何気ないやりとりですが、ここには大切な学びがあります。
生命は、単純ではない。
人間も、単純ではない。
だからこそ、一人ひとりが違っていて、面白い。
そんな感覚が、やわらかく場に広がっていきました。
後半は、いよいよPIコース用のAIを使ってみる時間です。
今回使ったのは、NotebookLMという仕組みを使って準備している、PIコースの伴走型AIです。
このAIは、正解を教えるためのものではありません。
キッズたちの「やってみたい」
「なんとなく気になる」
「うまく言葉にできない」
という思いや違和感を出発点にして、対話しながら本人の言葉を整理していくためのものです。
つまり、先生の代わりに答えを出すAIではなく、
自分の志を深めるための相棒になってくれるかもしれない存在です。
実際に、キッズたちは自分のプロジェクトについてAIに質問してみました。
そういちくんは、雑草を活用するプロジェクトについて、アプリ開発のアイデアを相談しました。
「少しワクワクするけれど、パソコンをあまり触ったことがないので、始め方がわからない」
そんな正直な気持ちも出てきました。
さくちゃんは、木工動物園や雑草を使ったものづくりについて相談しました。
草木染めや、雑草を使ったクレヨンのようなアイデアにも話が広がっていきました。
りーちゃんは、「思いやりのない行動」についてAIに相談し、具体例を出してもらうことで考えやすくなったようでした。
ふみちゃんは、AIが自分では考えていなかった答えを返してくれて、わかりやすく説明してくれたことを「やりやすかった」と話してくれました。
ももちゃんは、四コマ漫画について、
「どうやったらバズる四コマが描ける?」
とAIに聞いてみました。
すると、野菜を擬人化して、性格をつけてみるというヒントが返ってきたそうです。
ももちゃんが進めている「ももかファーム」の四コマ漫画が、また少し面白くなっていきそうです。
かのんちゃんは、玉ねぎプリンと「いただきます」の心がどうつながるのかを相談しました。
自分では考えていなかった視点が出てきて、客観的に見られてよかったと話してくれました。

AIを使ってみたキッズたちからは、
一人では決めきれないことを整理してくれる
自分では思いつかないアイデアが出てくる
例を出してくれるから考えやすい
別の視点から見られる
という声が出てきました。
一方で、山さんが何度も大切なことを伝えてくれました。
AIが言ってきたことを、そのまま鵜呑みにしてはいけない。
AIにいくつも案を出してもらう。
「他にはないの?」と聞いてみる。
「本当にそれが一番いいの?」と問い返してみる。
その中から、自分が本当にいいと思うものを選ぶ。
AIは便利です。
でも、決めるのは自分です。
AIは、答えをくれる先生ではありません。
自分の志を深めるための相棒になってくれるかもしれない。
ただし、その相棒とどう向き合い、何を選ぶのかは、やはり自分自身に委ねられています。
このメッセージは、これからAIと共に生きていくキッズたちにとって、とても大切なものだと感じました。
PIコースの最後には、このPIコース用AIの名前についても、
キッズたちに聞いてみました。
候補にあがったのは、
① ココラボ
ココロザシ × ラボ。
志について一緒に研究していくような名前です。
② ココロボ
ココロザシ × ロボ。
志を深めるロボットのような、親しみやすさがあります。
③ ココシル
ココロザシを知る。
自分の志を知り、相手の志も知っていくような意味が込められています。
④ ココミラ
ココロザシ × ミライ。
志を未来につなげていくような名前です。
⑤ ゴリ相(ごりそう)
ちょっとネタ枠。
ゴリっと相談できる相棒、という遊び心のある名前です。
それぞれの名前に手を挙げてもらいながら、
どんな名前なら普段から呼びやすいか、
相談したくなるか、
自分たちの相棒としてしっくりくるかを考えていきました。
AIに名前をつけるというのは、ただの遊びではありません。
これから自分たちの問いを受け止め、志を深めるために一緒に育てていく存在として、キッズたち自身がこのAIに関わっていくための大切な一歩でもあります。
そして今回、キッズたちがAIを使う姿を見ながら、
私自身も大きな問いをもらいました。
AIをどう使うかが問われているのは、キッズたちだけではありません。
むしろ、私たち大人こそ、
AIが出した答えをそのまま評価するのではなく、
その子が何に反応したのか、
どこにワクワクしたのか、
どんな違和感を持ったのかを見つめる必要があるのだと思います。
AIによって、アイデアはたくさん出てくるようになります。
でも、そのアイデアに命(いのち)を吹き込むのは、本人の実感であり、行動です。
だからこそ、大人の役割は、
「それが正解かどうか」を判断することではなく、
「その子が本当に動きたくなる問いになっているか」を一緒に見つめることなのかもしれません。
AIを活用するキッズたちとともに、
私たち大人もまた、どう問い、どう待ち、どう伴走するのか。
その姿勢が問われている。
そんなことを、アラキングとして強く感じた時間でもありました。
今回のPIコースでは、キッズたちが新しいAIと出会いました。
でもそれは、
「AIに任せればいい」
という出会いではありません。
自分の中にある問いを出してみる。
まだうまく言葉になっていない思いを話してみる。
返ってきた答えを受け取り直して、自分なりに選び直す。
そんな、これからの時代に必要なAIとの付き合い方を、実際に体験する時間でした。
生命とは何か。
命(いのち)をどう輝かせるのか。
自分の志をどう育てていくのか。
大きな問いから始まった今回のPIコースは、
AIという新しい相棒と一緒に、キッズたちが自分のプロジェクトをもう一歩進めていくきっかけになりました。
次回以降、このAIがどんなふうにキッズたちの挑戦を支えていくのか。
そして、キッズたちがAIの答えを超えて、どんな自分らしい一歩を選んでいくのか。
とても楽しみです。
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