事業化プロジェクト

201962

ミラコラ合宿2日目 〜「200年先を思いやれる人」が育つ場所〜

さて!

いよいよミラコラ合宿の2日目です。

 

昨日の1日目の体験からの学びや気づきも踏まえて、

タナットネイチャーラボをどんな場にすると良いか?

提案をしていきます。

 

まずは、キッズたちから山岸さんへのヒアリング

◯山岸さんが大切にしていることは何か?

◯みなさんは1日何時間働いているのか?

◯みなさんは役割分担して働いているのか?

◯その役割は山岸さんが指示をしているのか?

◯自然ってなんですか?

などなど、たくさんの質問が出てきました。

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必要な時だけ働く。だってそれが自然だから(笑)

種まきしたり、収穫したり、雑草を抜いたり、役割はたくさんあるけど、

オレが指示をしない。

みんなが自分たちで考えてやっている。

ただ、みんなが連携してやっているかというと・・・

そうではないかもしれないなあ。

みんなそれぞれ単独で行動しているような気がするなあ。

他人のエリアは他人事・・・

あ、みんなからの質問、社員たちにも聞かせた方がいいね(笑)

「なぜ、みなさんは連携しないんですか?」って(笑)

こういうの彼らにとってめっちゃ勉強になると思う!

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なるほど〜!

こどもたちからの問いは、

社員さんへの気づきにもなるという大きな発見!

新たな人材育成に繋がりますね!

 

さて、ここから山岸さんの本当の思いが出てきます。

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農業ってさあ、

1つ失敗したら、1年取り戻せないんだよ。

土作り失敗したら、取り戻すの来年になるでしょ。

下手すると3年待たなきゃいけない時もある。

普通だったら、失敗したらまた明日があるってなるけど。

農業はそうはいかない。

一瞬一瞬が大切で真剣勝負。

だから、慎重になる。真剣になる。

だから、観察力が高まってくる。

物事を丁寧に、1つ1つに気を入れて行うようになる。

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なるほどねー。

私たちって、失敗してもなんとかなるもんね。

失敗しても誰かが助けてくれたりするもんね。

それはありがたいけど。

それによって1つ1つの丁寧さや真剣さが

甘くなってしまうのかもしれませんね。

農業から学べることはたくさん!

 

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あとはね、

ネイティブインディアンはね、

7代先の子孫のことを考えて生きているんだってさ。

つまり200年先のこと。

200年先のことを考えたら今している行動ってどう?

常にこれを判断軸にしていくことを大切にしている。

だから、農薬とか化学肥料バンバン使っている人たちに

「200年先のことを考えたら今している行動ってどう?」

って質問したら、恥ずかしいーーーってなると思うんだよね。

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なるほどーーーー!

200年先のことを考える。

よく考えたら当たり前のこと。

ネイティブインティアンはまさに自然の人たち。

山岸さんも自然の人。

人間も元々は自然。

自然であれば自然と200年先のことを考える。

山岸さんは、言います。

自然とは、愛でありマコトである

自然(=愛やマコト)で生きる人が

たくさん増えたらいいなあ。

 

また、自然と野生は違うかも?という話にも発展してきました。

上記、自然=愛ということなのであれば、

「人間が作ったもの=人工」も不自然ではなく自然になるのでは?

大切なのはそこに愛があるかどうか?

野生と自然を履き違えて人工は全てダメというのも

少し考え直してみると良いのかもしれませんね。

ただ・・・その愛がどこに注がれているのか?が問題なのかな?

と私は思いました。

自分たち人間だけに注ぐ愛なのか?

自分の家族だけに注ぐ愛なのか?

自分自身の生活だけに対する愛なのか?

先ほどの

200年先のことまで考えた愛になっているか?

地球にも愛を与えているか?

世界中の人たちや植物、動物にも愛を与えているか?

ここが大切なのかもしれません。

 

なるほどね!

200年先まで人にも地球にも

愛を注いで、自然人として生きる人が増えるといいなあ

これがタナットネイチャーラボが目指すところなんですね!

 

これって難しいことでしょうか?

全員がそう思えるなんて無理だと思いますでしょうか?

でも、小学生のミラコラキッズたちは

こんな話はスーッと心に入っていきます。

こんなに深い話をしちゃうのが

ミラコラです^^

 

 

 

さて!

いよいよ本番ですよ!

 

日曜日にサザエさんを見て

あー、明日仕事行きたくないなあ・・・、となるか?

よっしゃ!いよいよ明日が月曜日!明日が楽しみだ!、となるか?

タナットネイチャーラボがどんな場になると、

200年先まで人にも地球にも

愛を注いで、自然人として生きる人が増えるのか?

これが山岸さんの願い。

 

企画アイデア会議スタート!

 

発表は特設ステージで(笑)

 

グループ①の発表

なるほど〜!

タナットネイチャーラボで苗の即売をし、

家族や会社などの団体で畑を1区画レンタルしみんなで苗を植える。

その後のお世話はタナットさんがやってくれて、

進捗はyoutubeやメールで連絡をしてくれる。

なんなら、他のお客さんが一緒に育ててくれたり。

自分の家族や団体を超えて、

みんなでタナットネイチャーラボの野菜を育てるコミュニティが生まれる企画

 

この企画は現実的ですぐにでもできそうですね!

 

 

グループ②の発表

 

1.お仕事体験をして自然から学ぶ!

2.収穫した野菜をその場で料理して食べる!体が健康になれば心も健康になる!

3.四つ葉のクローバー探し!

  昨年もそうだったけど、タナットネイチャーラボには

  なぜか四つ葉や五つ葉のクローバーがたくさん見つかる!

  四つ葉のクローバーを見つけるとなんだか運気が巡ってきたようで明日から頑張れそう!

4.自然から学んだことを「絵本」にしたり「本」にしたりして、タナット図書館をつくり教材化にする。

5.満天の星空を見ながら、200年先の幸せを考える。

  おそらく、200年前の夜空も、200年後の夜空も同じ景色であるはず!
  ネイティブインディアンと同じく、200年先を考える体験をします。

6.家に帰っても、200年先のことを考えられる人になっている!
 

人が進化していくプロセスが構造化された素晴らしい企画!
 
グループ③の発表


雨でも晴れでも楽しめる!
好きに遊べる学べるハウス!
○テントスペースをはりキャンプ場にする
○こどもが遊べるアトラクションを作る → トランポリンやターザンロープなど
○野菜を収穫し、その場で料理ができる
○ブルーベリーなどのフルーツを収穫し、その場でスムージーなどが楽しめる!
うんうん。
やはり、こどもが楽しめるのはGood!
ブルーベリーを収穫し、その場でスムージーという経験も
非日常でしか味わえない自然のアトラクション!
家族で来たら完全に楽しそう!

山岸さん、いかがでしょうか?
ぜひ採用していただき、
マコトがはぐくみ合える経験価値創出の場を一緒に作っていきましょう!
来たるべく
「ミラコラ淡路島」の体験イベントのアイデアも
面白そうなものが出てきましたよ!
名付けて!
ミラコラ淡路島「畑 de オリンピック!」
第1種目「草ぬきスピード競争」
第2種目「種まき正確さ競争」
第3種目「野菜を使った料理コンテスト」
などなど!
楽しいに勝るものはなし!
子曰く、
これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
「自然を楽しむ」
「自然に学ぶ」
「自然人になる」
タナットネイチャーラボが運営する「ミラコラ淡路島」が
日本一、自然感覚な人が群生する機会創出の場を作っていきます!
山岸さん。
食事の準備から、トイレ設営をはじめ
キッズたちにとって最高の学びの場をつくっていただき
ありがとうございました。
このご恩は、実践を持って恩返しをさせていただきます。

追伸
この後に、ミラコラ版WPHを行なったのですが、
それは別途代表ブログにて公開いたします。
荒木さん、ありがとうございました!
2日間おつきあいをいただきました
荒木さんの感想を荒木メルマガに書いていただいたので、
そちらも共有させていただきます。
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今日は、ミラコラ淡路合宿の二日目の気づきを受け取り直したいと思います。2日目は昨日の体験を踏まえて、タナットネイチャーLABが目指しているものを山岸さんからキッズたちがヒアリングして、提案するというワークが中心でした。
まずは、山岸さんの想いが去年と比べて断然深まっていることに気づくことができました。山岸さんは、安全な野菜を作ることがすでに当たり前になっていて、それを作り出した先に、いかにこの場を通じて、関わる人々がイキイキするかという想いを強く持っていました。興味深いのは、その想いが山岸さん一人の一方的なものというよりかは、淡路の土地が求めているように感じられたことです。山岸さんの中で、自分たちが育てた野菜は実は自分たちが育てたわけではないという意識があるようです。もちろん、種まきをし、手入れをして、収穫までのプロセスをするのですが、そのプロセスが野菜を育てているわけではなく、あくまでも、淡路の自然が育てたという風に考えているのです。これは単なる謙遜ではなく、僕は自然への思いやりだと感じています。その思いやりがより強くなっているから、この土地で単に安全な野菜を作るだけでは、まだまだ不十分であるという風に、山岸さんが感じているのもうなづけます。
そんな山岸さんだからこそ、キッズたちのヒアリングの中で、農業は将来の世代に優しくなる必要があるという風に答えていたんだと思います。山岸さんは、ネイティブアメリカンの考えで、7世代先のことを考えて、今の行動を考えるという話をしながら、自分たちは農業をしているとキッズたちに話していました。一世代30年としても、200年以上の先のことを今考えて行動するという話は、キッズたちも驚きを隠せないようでした。確かに、山岸さんがやっている農業は、単に一年という区切りで完結するようなものではなく、より長いスパンでどうしていくかという視点から、土地を借り受けて、新しい作物を植え続けています。しかも、工業社会に精通している山岸さんならではの気づきとして、農業の仕事は、人間側の都合でやり直しがききづらいものだということがあります。もちろん、農業も工業化すれば、ある程度人為的に管理することが可能ですが、それがしたくて農業を始めたわけではないので、自然の成り行きに任せるように山岸さんがなっていったのもうなづけます。ただ、自然の流れに従うのではなく、そこに人間の役割を見出した結果、200年後のことを考えて行動するという発想が出てきたと思われます。自然はあえて言えば、将来のことを考えて行動することはなく、ただ循環を繰り返すだけです。このことは、二宮尊徳が述べている「自然の理」と一致します。そこに人道として何をなすかという視点を尊徳は持っていたわけですが、時代的な制約で、将来世代の目線よりかは、現在世代の幸福に注目せざるを得ませんでした。なぜなら飢饉があったからです。尊徳がいう将来とは、襲い掛かる飢饉にいかに耐えれるかということであって、今生きている人たちがより長く生き続けることでした。それくらい余裕がなかったわけです。
しかし、近代化が進んで、化学肥料や農薬の技術が発展したことで、人間は差し迫った飢饉の恐怖を取り除くことができました。もちろん、世界ではまだ飢えている人はいます。ただ、まだ飢餓が根絶できていないからと言って、大量生産が可能な農法をし続けるのは、環境問題を考えると明らかに疑問視されます。今、世界は、人間は農業を通じて、どのように自然と関わるかというはざまにいると思います。そこで、人間のためか自然のためかという二者択一ではなく、人間も自然もより良くなるという未来をイメージしながら、今の生きるという考えを実践しているタナットネイチャーLABは奥深さが全然違います。
そのことを踏まえたうえで、ミラコラキッズたちは、この場を訪れた人がどうしたらイキイキするかというアイディアを考えていました。ただ、農業体験をするだけではなく、その経験価値をどこまで広げらるかという観点で、提案がなされていたことが印象的でした。具体的には、農業体験を通じて気づいたことを本にして残したり、苗から収穫までのプロセスをその場にいなくても共有できる方法を考えたり。淡路の自然を最大限生かした遊びを考えたりしていました。それらに共通するのは、自分がいかに楽しむかということ以上の広がりを持っているということです。これを小学生が自然に思いつくあたりが、ミラコラらしいと思います。しかも、これまでずっと学んできた子どもだからというわけではなく、新たにミラコラを始めた子どもたちも違和感なく発想できているところに、ミラコラという場はどんな子どもに対しても開かれたものだと実感できました。
京都フォーラム共働研究員
MIK代表
荒木一彰

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